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工業簿記って何?わかりやすく解説します!

更新日:2022/09/16

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工業簿記のスタートを切るかどうか迷っているあなたへ…。
突然ですが、コロッケを一つ作るのにどのような費用が掛かっていると思われますか?あなたがお昼に食べたお弁当に入っていたコロッケを想像してみてください。

この記事では、工業簿記を理解する一歩として、コロッケを1つ作るのに掛かる費用、をテーマに解説いたします。

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工業簿記とは?

製造業のための簿記

工業簿記は、製品の製造に関する会計処理を記録する簿記のことです。実務に直結するのは主に製造業(メーカーや工場、製造部門)に関わる経理担当者です。

製品を製造する過程で掛かった材料や人手の費用を原価として計上します。工場経理に馴染みのない方は苦戦しやすい分野で、商業簿記を一通り経験した方からも「イメージがわきにくい」との声が上がっています。これから学ぶ方は根気強く学習してきましょう。

工業簿記を学ぶ目的

ゴールは商業簿記と同じ

工業簿記の目的は商業簿記と同じで、財務諸表の作成や決算を正確に行い、経営状況の把握・改善することです。製造業の場合、商品を製造するために行った日々の取引を記録(仕訳)します。

例えばコロッケを製造・販売する企業や店舗の場合、コロッケを作るために掛かる費用を計算するルールがきちんと会計基準で設定されています。

計算方法が確立されているからこそ、予定販売単価や儲けを予測でき、企業が明日もコロッケを安心して揚げることができるわけです。

商業簿記と工業簿記の違い

計算方法の違い

一言でいうと、販売までの流れに違いがあります。

商業簿記は仕入→販売という流れ。
工業簿記は材料仕入れ→加工→完成品の販売という流れです。

商業簿記の図解 工業簿記の図解

ですから、スーパーのように、買ってきたものを並べて販売するお仕事についているのであれば、商業簿記の範囲です。仕入れたお弁当の仕入金額(売上原価)と販売価格(売上高)その差額が利益ですね。

売上高―仕入=利益これが商業簿記で学ぶことです。簿記3級ではここまでの学習が済んでいますね。

一方、スーパーに卸すお惣菜を作っている会社でしたら、ジャガイモやお肉の仕入をして、生産ラインでコロッケがいくつできるのかを計算しなければなりません。

工業簿記を学ぶと「売上高―製造原価=粗利益(売上総利益)」という計算ができるようになります。

製造原価について詳しくはコロッケ製造の原価を例に解説でご説明します。

仕訳・勘定科目の違い

工業簿記では、商業簿記では必要のなかった加工(製造)のための費用が発生します。そのため、商業簿記とは異なる科目と仕訳も出題されるのです。

製品の加工に必要な材料や人件費などのコストを「原価」といい、その原価を算出することを「原価計算」と呼びます。簿記2級で必出の分野です。

工業簿記で頻繁に登場する勘定科目は「材料費」「労務費」「経費」「製造間接費」「仕掛品」「製品」「月次損益」です。それぞれの仕訳方法は押さえておきましょう。詳しくは後ほどの「コロッケ製造の原算を例に解説」で解説します。

財務諸表の違い

損益計算書や貸借対照表に記載する項目が異なります。

まず商業簿記の「商品」と表現していた部分は「製品」と表現します。例えば、商業簿記の損益計算書の「期首商品棚卸高」は、工業簿記では「期首製品棚卸高」と記載されます。同様に「当期商品仕入高」は工業簿記の場合「当期製品製造原価」です。

このように用語の違いは出てますが、財務諸表の原理は商業簿記と変わりません。そこに慣れてしまえば、考え方は商業簿記と同じですよ。

コロッケ製造の原価を例に解説

冒頭の質問に戻ります。
コロッケを一つ作るのにどのような費用が掛かっていると思われますか?

真っ先に思いつくには材料の値段ですね。ジャガイモ、パン粉、卵の値段。このようなものを材料費という勘定で計算します。でも自宅でコロッケを揚げる際の家計簿のように単純ではありません。じゃがいもが思っていたより高かったら?材料を冷蔵庫に入れっぱなしにして腐っちゃったら?工業簿記を学ぶことで、日常感じる疑問まで解決できてしまいますよ。

次に労務費、これもイメージしやすいのではないでしょうか。コロッケ作る人がいなければなりません。人件費と言えば簿記3級学習者にはわかりやすいでしょう。作る流れで、ジャガイモをゆでる人、つぶす人、丸める人、揚げる人、様々な工程がありますが工業簿記では誰にいくらかかったのか、そこもきちんと把握します。

最後に経費、上記以外でコロッケを揚げるのにどのような費用がかかると思われますか?わかりやすいものですと、ジャガイモをゆでる水道代や、火を使った時のガス代なんかがかかりますね。
ほかにもあります、例えば、工場を持っている場合、その建物に関する費用はどうなるでしょう?簿記3級の学習を終えている方でしたら減価償却の考え方をご存じだと思います。 減価償却費もコロッケ代の経費に算入されます。

その他の費用

何がどこの費用に分類されるのか、その費用というのは具体的にどのようなものか、そして製品になる過程で費用がどのようにうごいていくのか、これを簿記2級では徹底して学びます。

利益の計算

さて、そのように作ったコロッケを売り、そこで初めて会社の売上になります。 そこから、今計算したコロッケにかかった費用=製造原価をマイナスすることによってその会社のコロッケに関する粗利益(売上総利益)というものが算出されます。
言い換えれば、物を作っている会社が外部に公表するための(銀行や税務署)数字を固めるにはこの簿記二級で学ぶ、 原価計算という計算技術の学習は欠かせないということになります。

工業簿記で苦戦する理由

日常で「製造」に触れることがないから

ではなぜ工業簿記で苦しむ方が多いのでしょうか。

結論としては、「独学で工業簿記のテキストを読んでも、どんな会計処理をしているのかわからない」ということにつきます。商品売買を中心とする簿記3級であれば、日常的な生活からもイメージしやすいものが多くあり、そこから処理の目的や会計処理の違いなども頭の中で引っ張り出せることもあります。

しかし、簿記2級で登場する工業簿記は「工場でのモノづくりに関する会計処理」です。 製造業関係者以外の方からは「教科書を読んでも具体的な事例が全く頭に浮かばない」という声をお聞きすることがございます。 せっかく計算技術、簿記の学習リズムを簿記3級で身につけられた方が、イメージがわかないという理由だけで、学習の手を止めてしまうのは非常にもったいないことです。

製造業の未経験者は皆同じスタートライン

工場経理になじみがなく、「仕掛品」「標準原価計算」「仕損」などと言われても、すぐには言葉の定義やイメージがわかないようであれば、なんらかのサポートを受けられる環境づくりをされた方がよいかもしれません。 ここまでお読みいただいて「工業簿記って難しそう」と思われた方もご安心ください。

大半の受験生は工業簿記というものに、簿記2級の学習の開始とともに生まれて初めて触れます。したがって、スタートラインは横一線です。忙しい会社員や主婦の方でもハンデキャップはゼロに近いので、抵抗感を払しょくしながら学習を進められる環境を整えましょう。

まとめ

お分かりの通りコロッケを売る会社にとっては非常に重要な内容です。製造原価報告書という書類の作成が一般的です。
製造業界にお勤めの方は、商業簿記にとどまらず、工業簿記まで知識を持っておくことで、職場での立ち位置が変わってきます。
長く経理をやりたい、事務系職種で落ち着いて働きたい、と思われる方は簿記2級レベルの工業簿記まで学んでおかれることを強くおすすめいたします。

ちなみに、ジャガイモコロッケと肉じゃがコロッケを一緒に作っている場合と、通常サイズのコロッケとメガコロッケを一緒に作っている場合とでは計算方法が違います。簿記2級を学べばすぐに理解できますよ。
難しそうに感じるのは皆同じです。初めて工業簿記に触れて「楽勝」という方はいらっしゃいません。スクールでも丁寧に導入がおこなわれるはずですので、安心して学習をはじめてください。

(補足)
単純に製造原価を計算するのみならず、さらに工業簿記では利益計画、例えば、ほしい利益を獲得するためにどのように計画し、販売すればよいか、という発想も学ぶことができます。
こちらは外部へ公表するための資料ではないので、イメージで言うと工場長や取締役等の経営層に見ていただくための資料のベースになるものです。
長く経理に勤めると、必ず、意思決定に関わるレベルの数字の管理を任されるという状況は避けてとおれません。簿記2級の知識を知っておいて損はありません。

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