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簿記1級の難易度や合格率は?独学でも合格可能か徹底解説

更新日:2023/05/17


簿記1級の難易度や合格率は?独学でも合格可能か徹底解説

簿記1級は、行政書士や土地家屋調査士などの難関国家資格に匹敵する、難易度の高い資格です。

独学での合格は不可能ではありませんが非常に難しく、合格者は一般的にはスクールや通信講座を利用している人の方が多いと言えるでしょう。

しかし、簿記1級は時間やお金をかけても取る価値のある資格です。合格率が低いからこそ希少性が高く、転職や就職の際に役立ちます

この記事では、簿記1級を取得したい人に向けて、難易度や独学で合格が可能かなどを解説していきます。

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簿記1級の難易度は?


簿記1級は国家資格ではないものの、実務に役立つ資格として社会的な評価は高く、取得すると就職や転職に有利です。しかし、合格率は10%で、合格は容易ではありません。

試験は商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目で構成されています。しかし、いずれも範囲が広く、難解な理論を理解し、高度な計算をしなければなりません。また、すべての科目を理解していないと合格できないような採点基準になっています。

そのため、勉強時間の目安は簿記2級を理解している状態でも600〜1,000時間と言われており、一日2時間勉強したとしても1年から1年半はかかります。もちろん、簿記の初心者はさらに時間が必要です。

簿記1級は、難易度の高さと勉強期間の長さで挫折する人も多い試験なのです。

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簿記検定1級の平均的な合格率とその推移

合格率は10%程度

簿記1級は合格率が8〜10%で、大きな変化がありません。

参考までに、簿記3級が50%前後、簿記2級が20%前後の合格率です。さらに簿記1級と異なり合格率の変動が大きく、一定ではありません。

たとえば、簿記2級の場合、2012年から2022年までのデータでは合格率が最低で8.6%、最高が47.6%となっています。このように大きなブレがあるのは、試験の難易度が変化するためです。

また、受験者数も大幅に異なります。簿記2級は年3回受験日があり、1年間の平均の受験者数は6〜20万人で合格者が1〜4万人です。一方、簿記1級は年2回の受験日があり、平均の受験者は約2万人で合格者数が2,000人です。

簿記2級と簿記1級では、受験に対する敷居も合格者数も格段に異なります。簿記1級の合格がいかに難しいか分かります。

合格率の推移

簿記1級の2012年〜2022年の合格率は最低で5.9%、最高で13.5%ですが、平均すると10%前後で推移しており、大きな変動はありません。

簿記1級の合格率

参考データ 1級受験者データ(統一試験)

このような一定の合格率になるのは、希少性を高めるために傾斜配点を行っているからと言われています。

傾斜配点とは、合格率を安定させるために配点を調整することです。受験者全体の平均点が低い時には正答率の高い問題の配点を高くし、逆に平均点が高い時には正答率の低い問題の配点を高くすることで、合格率を安定させるのです。

簿記1級では、基本的には平均点が低い時に傾斜配点が行われ、点数を底上げする傾向にあります。そのため、大多数の人が解けそうな基本問題は確実に正答できるようにしておかないと、合格は厳しいと言えるでしょう。

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合格率が低い3つの理由

試験範囲が広い

簿記1級の試験は商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目で構成されていますが、いずれも高度な知識を求められるうえに試験範囲が膨大です。

しかし、試験時には商業簿記・会計学で90分、工業簿記・原価計算で90分の合計180分しかありません。

問題の内容に戸惑ったり迷ったりしていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。そのため、試験範囲のすべてを理解し、初見の問題でも解けるようにしておかなければならないのです。

また、簿記2級の知識がある人でも600〜1,000時間の勉強が必要と言われていますが、あくまでも目安です。合格までの期間は個人差があり、勉強方法や毎日確保できる勉強時間によって大きく異なります。

膨大な試験範囲と長期間の勉強時間は、簿記1級の合格のハードルを高めている原因の一つと言えるでしょう。

求められる知識レベルが高い

簿記2級が中小企業を対象としているのに対し、簿記1級は上場企業などを対象としており、経営管理や経営分析を行うことも想定しています複雑さや難解さが格段に高く、求められる知識も高度なものばかりです。

商業簿記では計算が中心で、親会社と子会社の財務諸表を合算する連結会計などが出題されます。会計学では、商業簿記で行われる計算の理由を問われる理論を中心とした問題です。

また、工業簿記と原価計算の問題は、1問目の答えをもとに回答する形式なので、1問目を間違えると全問不正解になってしまいます。

簿記1級は、繰り返しテキストを読み込み「なぜそうなるのか」を説明できるレベルに達しないと合格が厳しい試験内容です。

合格基準が厳しい

簿記3級や簿記2級は、100点満点中70点を取れば合格です。しかし、簿記1級はすべての科目で40%以上の点数を取ったうえで合計70点でなければならない厳しい合格基準です。

簿記1級の試験範囲は商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算で、1科目25点の配点です。得意科目だけ頑張って70点を取ったとしても、不得意科目で10点以上が取れなければ不合格になってしまいます。

つまり、簿記1級は膨大な試験範囲を、まんべんなく理解しておかなければならないのです。

また、合格率を一定にするために傾斜配点が行われることもあるため、簿記1級は、基本問題を確実に解答できるようにしなければなりません。

厳しい合格基準ですが、だからこそ簿記1級には高い価値があると言えます。

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合格率の低さが簿記1級の価値を高めている

年収が上がる可能性が高い

簿記1級は合格率が低いからこそ希少性が高く、取得すれば評価されて年収が上がる可能性があります。

特に、簿記1級の知識を実務で活かせる大企業の経理・会計・コンサルティング業務などでは、資格手当による昇給や早期の昇進による年収アップが期待できます

また、簿記1級は税理士や公認会計士といった国家資格の登竜門と言われています。

簿記1級は税理士の受験資格の一つです。簿記1級と税理士は試験範囲が9割近く重なっており、受験で非常に有利です。

公認会計士は簿記1級よりさらに難易度の高い資格です。しかし、公認会計士に関係する難易度の高い試験は簿記1級しかなく、試験に慣れる良い機会になります。また、試験の基礎の論点が共通しているというメリットもあります。

法人に属するのか、独立開業するのかなどによって異なりますが、令和4賃金構造基本統計調査では税理士と公認会計士の平均年収は約746万円です。

50代では約850万〜1060万円と高い平均年収になっており、簿記1級取得後に税理士や公認会計士を目指すことで年収アップが期待できます。
参考:令和4年賃金構造基本統計調査

就職や転職でアピールしやすい

簿記1級は、持っているだけで就職や転職の際に他人と差別化をはかりやすいというメリットがあります。難易度の高い資格に挑戦し合格したという事実は、継続して努力ができるうえにチャレンジ精神を持った人物と評価される可能性が高いでしょう。

とはいえ、実は「簿記1級」が応募資格の求人はそれほどありません。

経理・会計・税理士事務所などの応募資格として多い記載は「簿記2級以上」です。しかし、履歴書に希少性の高い簿記1級が記載されているだけで目を引き、アピールとして非常に有利です。

簿記1級の知識が活かせる職場であれば、優秀な人材として採用されやすくなるでしょう。特に、実務経験のある人であれば、大企業や高年収の企業へ転職しやすくなります。

ただし「簿記1級を取得したから就職や転職が安泰」という訳ではありません。起業で必要とされる人物になるには、コミュニケーション能力や積極性も求められます。

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簿記1級に効率的に合格するには

スクールや通信講座の利用がおすすめ

簿記1級を効率的に勉強して合格したいという人には、独学よりもスクールや通信講座の利用がおすすめです。

簿記1級は非常に高度な知識を求められるうえに、範囲が膨大です。独学の場合、一人で長期間の勉強をし続けなければならず、モチベーションを維持するだけでも大変です。

「コツコツ勉強するのが得意」という人であっても、疑問や不明な箇所が何度も出てくると、スケジュール通りに進みません。疑問を解消できず、苦手意識を持ってしまう可能性もあります。

その点、スクールや通信講座では受験日までスケジュールを立て、カリキュラムを組んで効率的に教えてくれるので、勉強が継続しやすくなります。また、講師が不明点や疑問を解消する手伝いをしてくれます。

ただし、通信講座の中には講師に質問できない講座もあるので、申し込み前に確認が必要です。

スクールや通信講座の料金相場は6万円〜25万円と決して安くありません。しかし、その分メリットも豊富で、独学よりも短期の合格が期待できます。

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まとめ


簿記1級の難易度は非常に高く、合格率は10%前後でほとんど変化がありません。その理由として、膨大な試験範囲と求められる高度な知識が挙げられます。

しかし、だからこそ希少性が高く、合格した場合は就職や転職の際に有利です。簿記1級の知識は大企業の経理や会計などで活かすことができるため、年収アップも期待できます。

簿記1級は、難易度の高さから独学での合格は厳しい資格です。効率的に合格したい人は、スクールや通信講座を利用しましょう。

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