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数学が苦手でも大丈夫?簿記で使う数学の知識を紹介!

更新日:2023/03/13

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簿記を学ぶにあたって、「数学は苦手だった」という不安を抱える方はたくさんいらっしゃいます。簿記で使う数学のレベルを知り、不安を解消しましょう。

一方で、数学が好きな方は「簿記は暗記するだけの社会科」というイメージを崩すきっかけにしていただければと考えています。

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数学・計算が苦手だと簿記に向かない?

小中学校の算数、数学ができればOKです!

簿記検定の受験については義務教育の算数・数学ができれば「簿記検定に向かない」ということはありません。

おおむね、簿記3級までは小学校の算数、簿記2級で中学数学、簿記1級で高校数学が出てくるとお考えください。簿記1級を検討する人は経理・会計のプロフェッショナルの方ですので、現時点で高校数学の復習まで考える必要はないでしょう。

数学・計算が苦手でも簿記検定に合格できる理由とは?

簿記検定は数学力を試す試験ではないため、教科としての数学や計算について神経質にならなくても大丈夫です。
その理由は下記の3点にあります。

  • 計算は電卓使用OK!
  • 得点に繋がるのは「会計しくみ」の理解
  • 経理・会計の担当者は文系が多い

計算は電卓使用OK!

そもそも計算は電卓にお任せください。これで「計算ミスが…」の不安は解消です。ちなみに、電卓のMボタン(メモリー)の機能を理解すると、「正確」「速い」の両方が手に入ります。苦手意識のある計算も楽しみに変わりますよ。

得点に繋がるのは「会計しくみ」の理解

また、簿記検定は、数学的な思考力よりも取引の仕組みの理解度が点数・合格に繋がる試験です。例えば簿記3級の第1問「仕訳問題」の配点は15点。暗記が得意なら15点確保です。

第2問・第3問は、覚えた仕訳を元に帳簿や伝票を作成する問題が出題されることが多いです。簿記や財務諸表の仕組みの理解が求められます。

経理・会計の担当者は文系が多い

「簿記=数学」のイメージが強いと「簿記は理系の資格」と考えてしまいがちです。しかし、簿記論や会計学は文系学部(経済学部や商学部)の分野です。数学が苦手だった文系出身の経理担当者も、簿記を活かして活躍していらっしゃいます。

簿記3級で使う算数の知識例

分数の掛け算

「バカにしないでください」という声が聞こえてきそうです。

ただ、講師として指導していてスムーズに理解できない受講生を見るのもまた事実ですので、念のためフォローさせてください。

【問題】12か月だと6,000円かかります。では5か月分は?

【解答】6000×5/12=2500円

簿記の学習では分数をメモ帳で約分する手順は、やりません。

全て電卓で処理します。すると数式は

6,000×5÷12=2,500円

となりますね。
1/12をかけるということが12で割ることと同義であることを忘れている方もいらっしゃいます。

簿記3級の学習論点である「費用収益の見越し繰延べ」等からスタートし、どこまでもお付きあいする計算の知識です。

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関連記事簿記3級とは?活かせる仕事や試験の難易度・合格率も紹介!

簿記2級で使う数学の知識例

損益算

中学受験で小学校の時に触れたという方もいらっしゃるでしょう。
あるいは「就職試験のSPIで苦労したよ」という方。
社会人として生きていく以上、この計算と縁を切ることはできないようです。

【問題】販売価格360円で売っています。
原価に対して20%が利益です。
原価および利益はいくらでしょうか。

【解答】原価を1とおくと、販売価格の360円は1.2。ここから
原価は?
360÷1.2=300円
利益は?
360÷1.2×0.2=60円

簿記2級の論点の連結会計の論点にこの計算が必要です。

一次関数

中学校で習う数学です。

【問題】何もしなくても家賃が5,000円かかります。
家賃とは別に1個作るのに250円かかります。
今月は15個作りました。
一か月の費用は?

【解答】5,000+250×15=8,750円
この論点については下のグラフがきちんと理解できれば問題は解けます。

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簿記2級の中の工業簿記。製造間接費の差異分析をする際に一次関数のグラフを書くことになります。

一次関数で学んだ「グラフにおける傾きや切片」といった知識を掘り起こしてください。
実際、もう少し、図は複雑になります。

スクールでは丁寧に説明してくださるので数学であることさえ気づかないかもしれませんが……。

一次方程式

【問題】売上の35%が7,000円になるようにしたい。売上はいくら必要か。

【解答】売上をSとおく。
0.35S=7,000
S=7,000÷0.35
=20,000円

簿記2級工業簿記原価計算の目標利益達成売上高、あるいは損益分岐点の計算に必要になります。

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簿記1級で使う数学の知識例

数列

【問題】毎年10,000円ずつもらえます。
現在、金利は10%
3年間もらえます。
あなたならこの案件で最大いくらまで払えますか?

10,000円×3年=30,000円という計算をしてしまいたくなります。

【解答】1年後に10,000円もらえるために今、いくらお金があればよいでしょう。
利息が10%なので9,090×1.1=10,000ということから、1年後の10,000円は今の9,090円と同じ価値ということになります。

同様にして計算すると下記の通り。

    1年後 2年後 3年後
価 値 9,090円 8,264円 7,513円


したがって、毎年10,000円3年間もらえる投資の現在のお金に直した時の価値は、
9,090+8,264+7,513=24,867円となります。

減損損失、投資価値の判定などの論点で使用します。

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数学が苦手な人が簿記の学習で気を付けること

「暗記」に執着しない

簿記検定の試験で不合格となってしまう一因に「仕訳の暗記に終始してしまった」という勉強の戦略ミスがよくあります。文系科目の記述問題対策と同じように、覚えた知識を活かして問題を解く練習をすることが、得点を伸ばすために大切です。

数学が苦手でも取得しやすい簿記3級は、仕訳を覚えればある程度の得点に繋がる試験です。第1問は仕訳の暗記で15点取れます。

しかし第2問・第3問で得点力を伸ばすには「仕訳を使って問題を解く訓練」が重要です。具体的には、覚えた仕訳をベースに「総勘定元帳を完成させる問題」「損益計算書を完成させる問題」などに対応する力をつけましょう。

帳簿や財務諸表の問題を多く解くことで、暗記した仕訳を得点に変える力が備わるのです。

数学に苦手意識のある方にその力をつけたり、簿記検定の合格に導いたりしてくれる簿記講座を次にご紹介します。

数学が苦手な人におすすめの簿記講座とは?

質問環境のある講座がおすすめ

数学が苦手でも簿記検定や経理の実務に大きな影響がないとはいえ、計算が必要な試験の対策は心配な方もいらっしゃいますよね。

数学が苦手な方が簿記の勉強をする場合、テキストの説明や問題の解き方に関する疑問を、自分の理解度に合わせて説明してくれる環境が心強いと思います。

受講生からの質問対応が整っている講座をピックアップしましたので、ご参考ください。リンク先から無料の資料請求ができます。迷ったらそれぞれのパンフレットを見比べてみてください。

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まとめ

学校で習った算数や数学がまた出てくるとは思っていなかった方もいらっしゃるかもしれません。
簿記を極めていこうと思えば算数とのお付き合いは避けて通れません。

とは言え、簿記検定の受験においては、数学算数の得手不得手で合否が決まってしまうようなことはないので安心してください。
スクールでも算数の練習問題をするようなことは無く、講師も算数・数学であることすら気づかせないようなレベルで指導するように日々訓練しています。
簿記検定の主催者も、きっと数学ができなければ簿記の世界に入ってこられないようにはしていないはずです。

むしろポジティブに見れば、「簿記を学べば、世の中で必要とされている数字に関する知識の学び直しができる」と言ってよいでしょう。
なんの役に立つのかわからなかった数学も、社会で生き生きと活躍している姿が簿記学習を通じて心から実感できます。

一方、数学が好きな方にとってみたら、チャンスとは考えられないでしょうか。
会計のトレンドとして、暗記したものを手順通りやって終わりということも減ってきています。

社内に最新の会計ノウハウを導入するのは、数学の素養があるあなたになるかもしれません。
本稿では文字数の兼ね合いで説明は割愛しましたが、簿記1級まで学ばれれば、惑星の軌道予測に使われた最小二乗法による計算なんかもでてきますよ。

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