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婚活の流れから見る簿記の役割とルールについて

更新日:2023/03/07

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簿記の勉強をしていて、「どうして簿記って必要なのだろう」と考えたことはありませんか。

「多くの会社で使っているから」

確かにその通りですが、ではなぜ会社はそんなに帳簿が必要なのでしょう。
簿記が世界の中でどんな役割を果たしているのか、そのためにどんな仕組みがあるのか、今回は、そんな簿記の裏側を、婚活から新婚生活までの流れに例えて、少し考えてみましょう。

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「あの人の素顔」を説明するのが財務諸表!


今回の登場人物はこの二人

Aさん(30歳男性)
Bさん(29歳女性)

Aさんと婚活アプリで出会ったBさんは、その優しさと笑顔にすぐに惹かれてしまいます。

「Aさんてなんか素敵な人だな。でも出会ったばかりだし……。ホントはどんな人なんだろう?」

などと考えて、悶々とするBさん。
こんな気持ち、みなさんも一度は抱いたことがあるのではないでしょうか。

見た目や雰囲気が素晴らしくて、もう疑う余地がない。

そんな直感が外れることがあるのもまた事実。
「こんな時、本当の顔もわかるしくみがあったらなあ」と思うのが人情です。
あなただったらどのように情報を集めますか?
その人の友達に聞いたり、あるいは、周りの評判を聞いたりされるかもしれません。

では、もし何もわからない状況が続いてしまったらどうでしょう?
誰もが臆病になり、せっかくの出会いのチャンスを逃してしまうかもしれません。

いつだって中身を知っているのは相手だけ
→あわよくばだまそうとする人がいるかも……
→不安が大きくなって、なかなか積極的になれない
→自然と出会いの場からも足が遠のいてしまう

向こうが知っていることをこっちが知らない。
向こうはわかっているのにこっちに知られないように隠す。
こういった不安や心配は、企業でも同じです。
企業が情報を隠すとどのようなことになるのか。下記の通りです。

☆簿記・会計の世界で見てみると……

企業の情報が公開されない
→中にはウソをついて自社をよく見せる人がいるかもしれない。
→だまされるのはイヤだから投資はしない。
→株を買う人が誰もいなくなる。
→本来、誠実に経営している会社にもお金が集まらなくなる。

誰も説明をしない世界。不便だとは思いませんか?

「説明をする機能」こそが、財務諸表(簿記検定で学ぶ貸借対照表と損益計算書だとお考えください)の持つ役割の中で非常に大切なものの一つです。

さて、そんな機能を成立させるために様々なルールがあります。

簿記資格のメリットについてもっと詳しく知りたい方はこちら→

年収や売上で大切なのは、その中身!


Aさんは、なんと年収1,000万円と言っていました。
一般的な生活のためには十分な数字ではないでしょうか。
Bさんのテンションもうなぎのぼりです。

ところが、BさんはAさんの友人達から気になるウワサを耳にします。

「Aさんは東京から名古屋へ通勤しており新幹線通勤の上グリーン車代が出ている。だから年収のうち実は200万円は交通費なのではないか」
「Aさんは最近為替を始めたらしいよ。そのもうけの100万円も入ってるんじゃない?」

てっきり会社から1年で1000万円支給されていると思い込んでいたBさんは不安になります。

☆簿記・会計の世界で見てみると……

売上をはじめとする収益。身近な言葉では「もうけ」ですね。損益計算書ではこの「もうけ」の性質にきちんと着目し、書く場所まで決めてくれています。

本業で努力してもうけたのか。
あるいは本業以外の取引でもうけたのか。
もっと偶然のラッキーでもうけたのか。

本業、例えばレストランが料理でもうけたのであれば売上ですが、そのレストランがお金も貸していてその利息でもうけたのであれば売上には含めません。お店にあった絵画がたまたま高く売れたのでもうけたのであればラッキーと言ってよいでしょう。
もちろんどれも成果です。

ただ、ケースを見てもわかるように、どのようにして稼いでいるのかを知ることも正確な判断をする上では大切だとは思いませんか?

簿記の通信・スクールにはどんなものがある?(資料を検索)→

信頼関係と簿記


婚約した後、いよいよあとは住むだけとなっていたのに、この数か月前、実はAさんは前妻から訴訟を起こされていました。

BさんもAさんが離婚経験者であることは知っていたのですが……。
彼が養育費の支払いを渋っていたとのこと。
円満に分かれ、現在はきれいな状態だと信じ込んでいたため、それを知ったBさんは「まさか」という心境です。

そんな状況では、Bさんの見方も変わるでしょうし、判断に影響を及ぼすことになりはしないでしょうか。
また、養育費の支払いを渋っていたともなれば、裁判の行方次第では今後の出費も気になります。
簿記の世界では、来年以降に影響するような訴訟の発生などもきちんと明示するルールが存在します。

☆簿記・会計の世界で見てみると……

「この先もお金を投資してよいのか」という投資家の判断に影響するような大きな訴訟は、企業が財務諸表にきちんと記載しておかなければならないというルールが存在します。

例えば、「他社の特許権を侵害した」「契約違反があり損害賠償を請求されている」「国のルールを守らなかったため、制裁金を課されている」といったものがあります。

「アメリカの企業から特許権の侵害で訴えられた」としたらあなたはどんなイメージを持ちますか? 不安になる方もいるはずです。

重要なのは「不安だけど投資してもいい」のか、「不安だからやめるのか」という判断材料を包み隠さず提供するところにあります。

やはり大切なのは信頼関係ですね。

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”負の資産”を簿記の観点で見てみましょう


Aさんの持家はウォーターフロントのタワーマンションの上層階です。うらやましいです。
Bさんも毎日夜景を見るのを楽しみにしています。

Aさんとは持家について細かく話をしたことがなかったのですが、同居を控えたビミョーな時期。資産のことをとやかく言うのも……と思い、特に心配はしていません。
現金一括でマンション代金の支払いは済ませているという姿に頼もしさすら覚えていたぐらいです。

でも実はギャンブルで借金が8000万。マンションの価格も8000万。しかも非常に怖い人からお金を借りており、そのマンションは借金の担保に差し出していることが発覚……。

全く話は変わってきますね。
担保に供している資産については説明する必要があります。

☆簿記・会計の世界で見てみると……

人間関係では「相手が借金をしている」というのは心理的な負担も大きいかもしれませんが、簿記の世界では「会社が自由に処分できない財産がある」という意味が大きいでしょう。

会社が自由に処分できないということは会社がつぶれたとき、その資産は特定の債権者の手に渡るということです。

言い換えれば、もしあなたが株主として会社に投資していた場合、その資産に関しては基本的に関与することができません。

まとめ


信用してもらうための説明書類、それが財務諸表であり、作成には明確なルールが存在します。

理解が容易な内容ばかりではなかったでしょうか。
その通りです。誰もが必要とすることを誰もが作れるように先人がみがき上げてきたものが簿記なのですから、理論的には当然シンプルなものばかりです。

ちなみに、簿記検定2級までのレベルではこのような理論には深く踏み込みませんが、上級資格である税理士試験や公認会計士試験ではきちんと学習します。
学問の分野としては一般的に「財務諸表論」と呼ばれています。物々しい名前がついてはいますが簿記検定の学習を終えていれば、それらを理論的に理解するだけですので、上級資格の学習はスムーズです。むしろ、「何でこの計算するんだろう?」という疑問の答えがわかってスッキリするかもしれません。
簿記検定の学習を終えていれば、それらを理論的に理解するだけですので、上級資格の学習はスムーズです。

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